Others EUの労働移動と地域間格差

比嘉, 正茂

5pp.41 - 50 , 2017-03 , 沖縄国際大学総合研究機構沖縄経済環境研究所
ISSN:2185873X
Description
経済発展過程における地域間あるいは産業間の労働移動は、一国(地域)の経済成長を実現するうえで不可欠の要件である。新古典派経済学(以下、新古典派モデル)によれば、生産性の低い地域から生産性の高い地域へ労働力が移動することにより、国(地域)全体の生産量が増加することが明らかにされている。また、労働力の地域間移動は、実質賃金の均等化をもたらし、地域間格差を縮小させるとしている。こうしたことから、多くの国々おいて、経済成長や格差縮小の観点から労働移動が重要な政策課題と位置付けられており、円滑な労働移動を実現するための政策のあり方について、これまでにも様々な議論がなされてきた。欧州連合(以下、EU)においては、欧州連合運営条約によって「労働移動の自由」が保障されており、EU 域内の国民は「出身国以外の加盟国で就労する自由」が認められている。EU が労働移動の自由を保障する背景には、前述したような「円滑な労働移動」によって単一市場を形成し、域内全体の生産性を上昇させようという狙いがある。しかし、こうした自由な労働移動は、加盟各国間の経済社会構造に様々な影響を及ぼしており、近年は移民や社会保障等の問題が顕在化するなど、労働移動に関わる課題も明らかになってきた。こうした状況を踏まえ、本報告書では、地域間労働移動に関する理論的な検討を行うとともに、EU における地域間労働移動と地域間格差の現状について考察を行う。以下では、次節において地域間労働移動に関する理論モデルを整理し、その後、EU 加盟国間の労働移動の状況と地域間格差の態様について検討を行う。
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http://opacm.okiu.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TC00331001&elmid=Body@&fname=2185873x_5_higa_masashige.pdf&lnkflg=true

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