Departmental Bulletin Paper 「総合的な学習の時間」とリンクする「道徳の授業」に向けて― 高齢者に関わる社会問題(認知症など)の教材から ―

福島, 信也

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高齢者の人口の増加とともに、認知症の人も増加している。2004年までは「痴呆」という言葉が使われていたが、高齢者の尊厳に対する配慮に欠く表現ということで、「認知症」いう言葉が使われるようになった。しかし、多様な情報によって症状のネガティブな部分だけが強調されてしまい、「物忘れが多くなる」「自分がした行動を覚えていない」「周りに迷惑をかける」「介護や他の人からのサポートが必要」「家族が困っている」などの意識をもたせてしまっている現状がある。超高齢社会を迎えている日本にとって、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現が重要課題である。そのためには、認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進などの施策を展開しなければならない。そこで、本研究では、地域の担い手となる子どもたちの育成も重要課題と考え、平成30(2018)年度から小学校(中学校は再来年度)でスタートする「特別の教科 道徳」の教科書・教材において、認知症がどのように扱われているのかについて検討するとともに、認知症に対するアンケートを実施し、理解度等についても検討することとした。 その結果、高齢者が主人公または主人公と関わっている教材は1~6年の全学年に広く分布し、現代的な課題としての高齢者に関わる社会問題(認知症など)の教材も含まれている。また、アンケート結果からは、児童・大学生の認知症に対する意識の差異はあまりない、などの知見が得られた。今後の課題としては、「認知症」を正しく理解し、「認知症」の人や家族を温かく見守り、安心して暮らせる地域の担い手となる意識を培っていく「総合的な学習の時間」と「道徳の授業」のリンクした取り組みを実践しながら精査したいと考えている。 
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