紀要論文 育児ストレスが母親アイデンティティに及ぼす影響に関する予備的検討―父親の育児行動に対する評価に着目して―

山下 倫実,, 加藤 陽子, 石田 有理

内容記述
本研究の目的は, 3 歳未満の幼い子どもをもつ母親が親としてのアイデンティティを獲得していく過程で,育児ストレスと父親の育児行動がどのように関与するのかを予備的に検討することであった。仮説は「1 .母親の感じる育児ストレスは母親アイデンティティの獲得にネガティブに関与する」,「2 .父親の育児行動が高く評価されている場合,育児ストレスの高さに関わらず母親のアイデンティティは肯定的なまま維持されるが,父親の育児行動が低く評価されている場合,育児ストレスが高くなるほど母親のアイデンティティは否定的になる」であった。Web 上で調査が実施され,現在3 歳以下の子どもをもつ母親98名(平均年齢33.91歳)が調査に協力した。各母親アイデンティティ(自信のなさ,効力感,受容,逃避)を目的変数とし,Step1に統制変数として母親の属性,Step2に育児ストレスと父親の育児行動,Step3において育児ストレスと父親の育児行動の交互作用項を投入し,階層的重回帰分析を行なった。その結果,仮説1 は支持されたが,仮説2 は支持されなかった。しかし,父親が子どもや母親に対して育児行動を頻繁に行なう場合,母親の育児不安が低くなるほど母親は親としての効力感を高めることがわかった。また,父親が母親への支援を行なう場合,父親の支援のなさによるストレスを感じるほど母親の親としての効力感は高まることが示唆された。このような結果が示された理由及び今後の展望について考察した。
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