Departmental Bulletin Paper 現象学的解釈分析による発達性読み書き障害者の社会適応の研究―直面する困難への対応方法の検討―

阿子島 茂美,, 漆澤 恭子, 岩井 雄一, 加藤 亮介, 杉谷 邦子, 関口 洋美, 相馬 睦, 高岩 亜輝子, 田中 佳子, 野川 中, 益子 紗緒里, 遊佐 規子, 吉川 知夫, 吉村 浩一

Description
本研究は発達性読み書き障害者の社会適応の現状を明らかにすることを目的とし,社会生活の中で直面する困難と,その困難にどのように対応しているのか,さらに困難をどのように受けて止めているかをコーピング・ストラテジーの視点から現象学的解釈分析法によって分析を行う。10歳代か50歳代までの6名の発達性読み書き障害者が社会で直面する読字・書字困難に対する対処方法について,半構造化面接法により得られたデータを現象学的解釈分析を用いて検討を行った。基礎的テーマとして物理的コーピング・ストラテジー,社会的コーピング・ストラテジー,認知的コーピング・ストラテジーの3つが析出され,「個別性のあるコーピング・ストラテジー」が上位カテゴリーとしてまとめられた。この基礎的テーマは明示的に求めたわけではなく文字の見え方と困難の対応方法の関連を検討する中から析出された。文字がどのように見えるかは参加者により異なっている。それぞれ読み・書きの困難を抱えているが,スティグマは感じられず,困難を受けとめている印象であった。中核的な読み書き困難に加えて,聞き取りに困難を抱えていることを多くの参加者が語っており,聞きとることが生活場面ではより大きな障害となっていることが示された。社会適応のための物理的コーピング・ストラテジーと社会的コーピング・ストラテジーが使用されていること,年齢が上がるにつれて自己の認知特性を意識し,得意な認知方法を使ったコーピングス・ストラテジーを使用していた。困難の自覚から自己努力によって創出した対応方法を持つことで積極的な社会適応を実現している。
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