学術雑誌論文 中小企業研究に適用可能なサービスの試論的概念― 中小製造業を対象にした取引費用論アプローチの模索 ―
Hypothetical Concept of Services Applicable for SME Research - Search for a Transaction Cost Approach for Small and Medium-Sized Manufacturers -

松下, 幸生

(45)  , pp.175 - 192 , 2018-03-15 , 山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所
ISSN:0386-636x
NII書誌ID(NCID):AN00242878
内容記述
本論文の狙いは、中小企業研究、とくに中小製造業を対象にした研究アプローチの延長線上で「サービス」の解釈を試みることにある。構成は、次記のとおりである。最初に、中小製造業における利益の創出形態を統計資料にもとづき整理をする。そして、中小企業経営という個別企業における競争力の源泉を、生産工程のみに注目するのではなく、サービスを包括して論じられる枠組みを改めて検討することが求められていると指摘する。次に、中小製造業の関わり得る工程フローを一枚の図表に描き、各工程の意味を説明する。その過程で、中小企業論における主な焦点が中小企業経営の展開よりも、分業構造における層や類型の特質と変化に注目していることに触れる。そのうえで、中小製造業の工程に関わる先行研究を概観すると、大別して4つの考察視座(下請中小企業、サプライヤー、マーケティング、特定の工程)があると整理する。しかしながら、中小製造業の工程(図表5)のうち、「サービス開発」、「製品(完成品・完成部品)」とサービス」、「流通」、「アフター・サービス」をいずれの考察視座にたち捉えるかは、明確になっていると言い難いと指摘する。その後、中小製造業におけるサービスの理論的なアプローチとして、1)発注企業とサプライヤーとの力関係を論じられること、2)互酬的な個別の取引関係を論じられること、3)個別の中小企業経営(工程における利益創出)にも適用可能なこと、4)サービスに関連した工程における価値の交換、提供1を論じられる実態確認の必要性を指摘する。これら4つのうち、1)から2)を適用可能な論者として港徹雄氏の業績に注目し、適用可能性を検討する。3)と4)は情報収集の困難さゆえに、個別企業の調査をつうじてサービスの存在をいかなるかたちで確認するかを提示している。それを踏まえて、中小製造業におけるサービスとは、完成する有形財に直接的、間接的に紐づいた無形財であり、企業を顧客とした発注企業に対して価値の交換、提供をする行為と試論的に概念づけ、これを結論とする。
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