紀要論文 「一帯一路」経済戦略の構想と現状

白, 春騮

内容記述
 中国は30 数年間「改革開放」政策を実施し続け、それを基本的国策として世界経済体系に融け込み全面的な経済発展の枠組みの構築に努めてきた。このような努力により中国は先進諸国から資金や技術を取り入れ先進諸国へ商品を輸出することに基づいた経済成長を達成し、中所得の国になった。ところが、世界銀行の統計で分かるように戦後の世界では「中所得国の罠」を脱出できた中所得の国はわずか十数か国のみであった。世界一の人口大国である中国は「中所得国の罠」に陥らずに更なる発展を実現するには潜在的市場の開拓、投資と消費の促進、需要の創出と雇用拡大など大きな難題に直面しているのである。 また、中国の経済成長はグローバル化の拡大とともに実現されてきたのだが、これまで受身的にグローバル化に参加したことから積極的に参加することに変わったため世界二番目の経済大国になったのである。すなわち保護主義に反対しグローバル化を進めることによって中国は驚異的な変化を遂げたわけである。それを象徴的に表わしているのは「一帯一路」という戦略の実施とAIIB などの設立などである。このような変化を正しく理解すれば新たなグローバル化への認識を深め、中国経済における難題を解決するための方策を見つけられるであろう。 本稿は中国国内の産業構造転換や複雑な世界経済情勢の中で打ち出された「一帯一路」という中国版のグローバル戦略の経緯を確認し、アジアヨーロッパに跨る中国の経済圏構想の現状を考察しながら自由貿易の推進によって新たな成長と発展を図る中国の戦略的構想への理解を深めようと試みる。また、資金力、技術力、インフラ整備力を生かして産業構造の転換や過剰生産能力の消化の解決に向けるために取り組んでいる中国の具体的な政策の特徴整理に努めた。
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