学術雑誌論文 埼玉医科大学病院における皮膚乳児血管腫に対するプロプラノロール内服療法
Usefulness of oral propranolol administration for infantile hemangioma.

川名, 宏  ,  山崎, 太郎  ,  石井, 佐織  ,  倉持, 朗  ,  徳山, 研一

44 ( 1 )  , pp.15 - 21 , 2017-08-31 , 埼玉医科大学医学会
ISSN:0385-5074
NII書誌ID(NCID):AN0009506X
内容記述
【はじめに】乳児血管腫は良性の血管性腫瘍に分類され,乳児に発生する腫瘍では最も頻度が高い.自然退縮傾向を有するためwait and seeで経過観察を行うが,中には早急な対応が必要となる症例もある.2008年にプロプラノロール内服療法の有効性が報告され,米国やEU圏で乳児血管腫の治療薬として承認された.今回,当院で独自の適応基準を設けてプロプラノロール内服療法を実施した.その際の治療効果と副作用を示し,今後の診療体制について提案したい.【対象と方法】対象はプロプラノロール内服療法が保険適用となる前の2年間に,治療適応と判断した乳児血管腫の9症例である.投与開始年齢は平均値9.3か月(2か月~3歳5か月)であった.入院管理下で,プロプラノロール内服を0.25mg/kg/日から開始し,2日毎に0.25mg/kg/日ずつ増量し,維持量2mg/kg/日に到達したら退院とし,皮膚科と小児科の外来に通院しながら治療を継続した.【結果】全例で縮小,退色が見られた.1例で喘鳴による治療中断があったが,ロイコトリエン受容体拮抗薬内服を併用して治療を継続できた. 他の1例では就寝中に心拍数が50回/分を下回る徐脈を一過性に認めたが,無症候性であり,治療を中断することなく継続できた.【考察】現在,乳児血管腫に対する保険適用が認められたことにより,様々な施設・診療科での使用増加が予測される.対象症例を慎重に選択し,安全に配慮しながら入院下で治療を開始し,退院後も長期にわたって慎重な観察を継続する必要があると思われた.
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