紀要論文 前田育徳会尊経閣文庫蔵『古今和歌集注』(零本) 翻刻と解題 ――「毘沙門堂本古今集注」再考のために――

舟見, 一哉

内容記述
「毘沙門堂本古今集注」と同種の注釈書とされる、尊経閣文庫蔵『古今和歌集注』(巻九~十三)を翻刻し、その性格について論じる。「毘沙門堂本古今集注」と同種とされている写本のうち、尊経閣文庫本と同じグループに分類できるものは、曼殊院本・初雁文庫本・烏丸本注抜書の三本である。より細かくみると、尊経閣文庫本の巻九・十(上巻相当)は曼殊院本・初雁文庫本・烏丸本注抜書と同じグループに属するが、巻十一~十三(下巻相当)は三書とはやや異なるものの、近しい関係にある。すなわち、尊経閣文庫本の親本は上下巻で性格の異なる本が取り合わされた写本であったと推定される。「毘沙門堂本古今集注」という一群の中心に据えられてきた毘沙門堂旧蔵本は、尊経閣文庫本を含めた計四本から成る右のグループと比べると、同じ注釈書として扱うことも難しいほどに、注文にも配列にも極めて多くの相違点がある。したがって今後は、毘沙門堂旧蔵本と同種とされる写本群を個別に写本レベルで見直し、「同種」「同類」「同系」などと整理されてきた関係性を再検証する作業と、毘沙門堂旧蔵本自体の再検討、ひいては毘沙門堂旧蔵本を中心に置くことの是非を問い直すことも必要である。その際、尊経閣文庫本を含めた四本から成るグループが存在することが、ひとつの指標となると考え、ここに提示する。Kokin Wakashu Cyu”owned by Sonkeikaku Library is regarded as “Bisyamondo Kokin Wakashu Cyu” and a similar kind. However, afterinvestigating it, I was proved to be a different kind. “Kokin Wakashu Cyu”and the same type of manuscripts were elucidated to be “Mansyuinbon” and “Hatukaribunko-bon” and “Karasumarubon-cyu- nukigaki”. But winding 11-13 of “Kokin Wakashu Cyu” is slightly different from the system mentioned above. In other words, the character of the second volume is different from the first book of “Kokin Wakashu Cyu”. From the above fact, we can understand that there are three lines of transcripts. A popular opinion admits of improvement.
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