Departmental Bulletin Paper 『内裏女中月次続歌』考

小山, 順子

日本文学史および和歌文学史において、中世後期は女性の活躍がほとんど知られない時代である。著名な女性作者も存在せず、作品もほとんど伝わらない。そうした中、国立歴史民俗博物館蔵高松宮旧蔵本『内裏女中月次続歌』は、文明十六年(一四八四)から文明十八年にかけて行われた八度の三十首続歌を収めるもので、出詠歌人のうち十三名が女性であることが特徴である。室町時代後期の女性歌人による詠歌は、これまで断片的にしか伝わらなかったため、女性歌人に関する貴重な資料である。『内裏女中月次続歌』の出詠歌人を比定し、どのような出自・経歴であったのかを検討すると、後土御門天皇の近親者もしくは身近に仕えていた後宮女官を中心とすることが判明する。また、『内裏女中月次続歌』が披講・参会を伴わない短冊のみの詠進であり、これは禁裏の月次和歌を模したためと推測する。さらに、勅撰和歌集撰進の希望が残っていたこの時代、勅撰和歌集を視野に入れた催しであった可能性を考えた。In the history of Japanese literature and the history of traditional Japanese poetry, women did not cut conspicuous figures in the last part of the Medieval period. There is no famous poet or famous works by women authors. Under such situation, “The Monthly Poetry by Imperial Court Ladies (内裏女中月次続歌)”, owned by the National Museum of Japanese History, was reported. This book contained eight times of monthly poetry that performed from 1484 through 1486 presented by 5 men and 13 women. This study clarified the identification of persons.

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