Research Paper 長野県松本市殿村遺跡第 8 次発掘調査報告書・虚空蔵山城跡第2・3・4次発掘調査報告書

栗田,愛  ,  竹原,学  ,  原田,健司  ,  福嶌,彩子

(231) 20180327 , 松本市教育委員会 , 松本市教育委員会
Description
殿村遺跡調査事業に係る中世を対象とした遺跡の範囲内容確認調査として、殿村遺跡は 8 回目の実施となるもの。遺跡の南部、旧会田中学校校庭(8B1 トレンチ)からは、整地遺構面が 3 面検出され、15 世紀末に築造された石積を介して上下 2 段構造の平場跡を捉えた。時期的には他地点より上限時期が新しい傾向が窺え、また下段平場からは他地点では少ない方形土坑や竪穴状遺構が集中し、焼土面や銅鍛冶に関わる坩堝の出土があるなど、工房的な性格を帯びた空間が存したと推察される。虚空蔵山城跡は、松本平の城郭施設としてはあまり例のない谷空間に造成された雛壇状の平場遺構群について、宗教空間である虚空蔵山中に営まれた山の寺を前身としている可能性が考えられ、山麓に位置する殿村遺跡との関係を探るために、これまで 3 回にわたって調査を実施した。その結果、平場群は大きく 2 時期の遺構面が存在し、一部に石積を伴う 15 世紀~ 16 世紀初頭の下層遺構面(2 面)と、前面石積により整然と短冊状に整地された 16 世紀代の上層遺構面(1 面)からなり、前者には最上段の平場において礎石建物が伴い、瀬戸産天目茶碗、茶壺等の茶道具や青磁・白磁、硯等、あまり城郭的とは言えない遺物が多出した。後者は、近世以後の耕作で遺構の大半は失われ、平場最上段からわずかに掘立柱建物を検出したが、遺物は皆無で 2 面とは対照的な在り方を示した。さらに、秋吉砦にから下降し平場群の東縁を区切る土塁と竪堀は、1 面段階で構築されることを確認した。こうした在り方から、寺院としての 2 面段階から、城郭施設としての 1 面段階へと場の性格が変化したと推察される。
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http://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/30/30208/21857_1_長野県松本市殿村遺跡第8次発掘調査報告書・虚空蔵山城跡第2・.pdf

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