Research Paper 中坪遺跡(第1次)発掘調査報告
なかつぼいせき(だい1じ)はっくつちょうさほうこく

小原,雄也

(370) 20170322 , 三重県埋蔵文化財センター , 三重県埋蔵文化財センター
NCID:BB23346322
Description
中坪遺跡は櫛田川左岸の低地に位置する。調査は事業地内の2カ所で実施し、奈良時代前期~江戸時代の遺構を確認した。A区の主な遺構は平安時代後期~鎌倉時代の井戸5基、室町時代~戦国期の井戸5基である。平安時代末期~鎌倉時代の井戸から完形の山茶椀と共に馬の歯が出土したことが特筆される。B区の主な遺構は、奈良時代~平安時代の井戸2基、平安時代末期~鎌倉時代の井戸4基、幅1.5m以上の大溝1条、室町時代~戦国期の井戸23基、大溝3条、区画溝2条である。特に奈良時代~戦国期までの井戸が多く確認されたことで、井戸構造の変遷を考察できた。変遷の大枠は横板組(奈良時代)、縦板・横板組(平安時代)、縦板組(鎌倉時代)、石組・結物(鎌倉時代)、結物(鎌倉~戦国期)である。また、特徴的な遺物は奈良時代の横板組井戸出土の土師器甕3点、須恵器長頸壺、斎串2点が挙げられる。自然科学分析は樹種同定、獣骨同定を行い古環境に関する資料を得た。特に樹種同定の分析では、中坪遺跡を含む朝見上地区の遺跡において、木製品は奈良時代~中世前期ではスギが多く、中世後期にはヒノキ・ヒノキ科が優位になると共にコウヤマキが急増することが判明した。さらに、奈良時代~江戸時代における伊勢湾西岸域の遺跡の樹種変遷も合わせて分析した結果、伊勢地域では中世前期までスギが優位であり、中世後期にはヒノキ・ヒノキ科が優位になることが判明した。中坪遺跡における樹種の変遷は、中世後期の伊勢湾西岸域における都市・湊津の発展と木材流通との関連が想定された。
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http://sitereports.nabunken.go.jp/files/attach/26854/19651_1_中坪遺跡第1次発掘調査報告.pdf

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