Journal Article インドにおける排出権取引:2つのスキームについての研究

Kaushik Ranjan, Bandyopadhyay

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本論文では,基本的にインドにおける2つのスキームについて考察する。インドにおいて汚染が深刻な3つ州(グジャラート,マハーラーシュトラおよびタミル・ナードゥ)の産業クラスターで実施されてきた1つ目のスキームは,大気汚染物質,すなわち,潜在的に健康への深刻な影響を持つ呼吸関連固体粒子状物質についての革新的かつ市場に基づく排出権取引である。また,これはCO2についてのものではないが,EU-ETSに似た,この種のものとしては発展途上国における最初のものである。このスキームは,産業のポイントソースが中央汚染管理委員会(CPCB)の設定した基準に従わなければならず,さもなくば高い罰金を支払わなければならないという従来の命令と管理に基づく規制からシフトしたものである。代わりにこのスキームでは,ある地域に対し環境大気基準に基づく汚染目標が定められ,産業ポイントソースに許容枠が割当てられる。そして検証の後,許容枠は適合に対するゲインまたは不足に基づき取引されることとなる。ベースラインの設定および検証のために,スキームは,排出に関するリアルタイム情報を与え,そうでない場合の抜き取り検査から発生する問題の多くを解決し,また,第三者機関の監査員による疑問のある,または誤った報告提出が行われる可能性を最小にする連続排出モニタリング・システム(CEMS)に依存する。一方,実行・達成・取引(PAT)スキームとして知られている2つ目のスキームは、エネルギー効率向上のための国家ミッション(NMEEE)の下でのインド電力省エネルギー効率局のフラッグシップ・プログラムである。このプログラムもまた,キャップ・アンド・トレード・メカニズムをまねたものであり,指定消費者(DC)となったエネルギー集約型産業生産単位間の省エネ証明書の取引を含んでいる。このスキームは絶対的あるいは相対的CO2排出に基づく直接取引に関わるものではないが,節約されるエネルギーの潜在単位(石油相当量として表現される)は容易にCO2排出相当量に換算される。PATスキームは多くの可能性を持っており,インドにおいて排出権取引マーケットを創造する道を整備する可能性を持つものである。また,このスキームはモニタリング・報告・検証(MRV)における調整と調和を通じて,国際カーボン・オフセット市場とつながる多くの可能性を持っている。このことを踏まえた上で,本論文では,このスキームの運営および制度的メカニズムについても検討し,他の国際的なカーボン・オフセット・スキームとのつながりの可能性をさぐる。
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