Departmental Bulletin Paper 日光老化モデルにおけるコラーゲン分解産物プロリルヒドロキシプロリンの効果―線維芽細胞に対する保護効果からの検討―

森本, 紗貴子  ,  西田, 昌司  ,  Sakiko, MORIMOTO  ,  Masashi, NISHIDA

Description
繊維芽細胞と細胞外基質からなる真皮組織は、皮膚の構造と機能を維持している。コラーゲンは細胞外基質に最も豊富に存在する蛋白質で、細胞表面に在るコラーゲンの受容体であるインテグリンと結合し、真皮の繊維芽細胞を活性化する。しかし、真皮のコラーゲン量は加齢とともに減少し、シワやたるみのような皮膚の構造と機能の破壊をもたらす。老化した真皮に、経皮的、経口的にコラーゲンを補うことは、分子の大きさのために不可能であるが、コラーゲン由来のジペプチドで、食後に血中に出現して皮膚に移行するプロリルヒドロキシプロリン(PHP)が同様に繊維芽細胞を活性化し、老化した皮膚を健康な状態に保つのではないかと考えた。マウス繊維芽細胞(3T6)に過酸化水素(0.5mM)を負荷して日光老化を模擬すると、ミトコンドリアの好気的代謝と膜電位が低下するとともに、細胞増加が減少し、アポトーシスによる細胞死が増加した。このモデルにおいて、PHP(0~2mM)は、ミトコンドリアの代謝能と細胞増殖能には変化を与えなかったが、用量依存性に膜電位を増加し、細胞死を減少させた。PHPと同じくコラーゲン中に存在するジペプチドのグリシルプロリンは、過酸化水素暴露による3T6障害を変化させなかった。これらの結果は、PHPがインテグリンと立体特的に結合してミトコンドリアを部分的に活性化することにより、真皮の構造と機能を改善し、皮膚の光老化の代替治療に有効であることを示唆している。
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