Departmental Bulletin Paper トニック・ソルファの掛図と教本に見る明治期の音楽教育
Music Education in Meiji Era through Wall Charts and Textbooks of the Tonic Sol-fa System
トニック・ソルファノカケズトキョウホンニミルメイジキノオンガクキョウイク

津上, 智実  ,  Motomi, TSUGAMI

62 ( 1 )  , pp.115 - 129 , 2015-06
NCID:AN00085725
Description
本論は、神戸女学院大学図書館所蔵のトニック・ソルファ掛図(全19本)について、その音楽的内容を検討することによって、明治期音楽教育の実態の一端を明らかにする。各掛図の掲載内容を検討し、同じく本学図書館所蔵のトニック・ソルファ教本『トニック・ソルファ・ミュージック・リーダー(The Tonic Sol-Fa Music Reader, revised and improved, by Theodore F. Seward &B.C.Unseld, Approved by John Curwen. The biglow & Main Co.)』(1890)の教育内容と付き合わせたところ、次の結果が得られた。1)これら19本は、モデュレイター(音階図)3本、リズム譜3本、トニック・ソルファ譜13本の3種から成る。2)トニック・ソルファ法の教程は6段階で構成されるが、第1段階に属する掛図が11本、第2段階が5本、第3段階が3本である。3)モデュレイターとリズム譜は第1~3段階に対応するものが各1本であるが、リズム譜については第1、2段階と掛図に打たれた番号との組み合わせに齟齬が見られる。4)トニック・ソルファ譜は第1段階9本、第2段階3本、第3段階1本で、第1段階のものが圧倒的に多い。これは音楽教師 E.タレー(1848~1921)が「最初より七音を用いられず、ドミソの三音を以って其の音程を明らかにする為掛図を用いられたり、手を上下にされたり、又は文字に高低を附けて生徒を階名で答えしめられました。右の三音を明確に覚えしめた後、関係ある音を順次に教えられ、決して先生は一時に多くの事を教えられず、One thing at a time を繰り返し繰り返し申されました」という本学卒業生の回想にも合致する。5)1925年の本学財産目録には73本のトニック・ソルファ掛図が記載されており、これら19本はその一部を成していたと考えられる。
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