Departmental Bulletin Paper ヤコブ書における愛の主題

原口, 尚彰

(51)  , pp.53 - 62 , 2018-03-01 , ルーテル学院 , Japan Lutheran College and Theological Seminary
ISSN:1880-9855
Description
 ヤコブ書の著者とパウロは共に、倫理教説の要として隣人愛(レビ19:18)の重要性を認識していた(ロマ13:8-10;ガラ5:14;ヤコ2:8)。ヤコブ書は隣人愛の戒めを社会倫理的に解釈し、社会的に弱い立場にある者を助けることや(ヤコ1:27)、困窮した人に対して憐れみの行為を行うことを勧めている(2:1-12 を参照)。これに対して、パウロはレビ19:18b の隣人愛の戒めが信仰共同体である教会の形成にとり重要であると理解していた(ロマ13:9;ガラ5:14 を参照)。キリスト教共同体に属する信徒間の愛(兄弟愛)を隣人愛の一つの実現形態と見なして、パウロは信徒たちに愛し合うように強く勧めている(ロマ12:10;13:8)。ヤコブとパウロの隣人愛の教説は強調点の置き方は異なっているが、相互に矛盾するものではない。 パウロはロマ12:15 においてイエスの愛敵の教えを反映して(マタ5:44;ルカ6:27b-28を参照)、「迫害する者を祝福しなさい」と勧めるが、ヤコブ書にはイエスの愛敵の教えの反響が全くない。愛敵の教えの継承に関して両者は対照的である。
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