学術雑誌論文 慶長奥州地震と相馬中村藩領の復興

岡田, 清一

内容記述
平成 23 年 3 月の東北地方太平洋沖地震と巨大津波による被災は,マスコミによって「千年に一度の大津波」と冠された。しかし,400 年前の慶長 16 年(1611)の「慶長奥州地震」もまた少なくとも北海道松前藩領から奥州南部の相馬中村藩領にかけて広域に多大な被害をもたらしたことは事実であり,平藩領から遠く銚子口にも津波が襲った可能性が指摘できるから,まさに東日本大震災に匹敵する。しかし,資料的稀少性もあって,その実態解明はようやく緒に就いたに過ぎない。この「慶長奥州地震」に遭遇した相馬中村藩は,本拠をそれまでの小高城から中村城に移転することによって藩主権力を強化するとともに城下集落を構築し,また海岸部に松林を造成,内陸部では「堤」=溜池を設置することによって,被災地の復興に努めた。その実態については不明な点が少なくないが,元和 2 年(1616)にそれまでの 24% にまで落ち込んだ石高は,約 30 年後の寛永 16 年(1639)には逆に 1.5 倍までに増えており,確実に復興の営みが確認されるのである。
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