Journal Article 葛藤解決における寛容性の研究 : 認知方略が寛容性に与える影響
Forgiveness in Interpersonal Conflict : The Effect of Victim's Cognitive Strategies on Forgiveness

山口, 奈緒美

Description
寛容性とは,加害者に対する順社会的変化のことである。本研究では,寛容性は被害者個人の積極的努力によっても生じえると仮定し,対人葛藤における寛容促進に有効な個人的方略を見出すことを目的とした。大学生と一般成人に対して質問し調査を行い,対人葛藤に際して自らの寛容性を高めるために行うであろう方略として,(1)客観的視点から被害経験全体を見直す中立的視点獲得方略,(2)加害者の気持ちや心情を潜行する加害者視点獲得方略,(3)寛容性が被害者自身にもたらす利益について熟慮する寛容利益強調方略を取り上げた。参加者には,葛藤場面においてこれらの方略をどのくらい実際に行ったかと,寛容性,寛容動機について評定してもらった。分析の結果,加害者視点獲得方略と寛容利益強調方略は慣用性の動機を高め,寛容性を促した。こうした結果は,本研究で仮定したとおり,寛容喚起プロセスには加害者の振る舞いとは独立したプロセスがあることを示しており,被害者自身で寛容性を高めることによって,加害者要因に依存しなくても建設的な葛藤解決を導くことができる可能性を示唆している。
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