研究報告書 創造的な思考におけるスケッチスキルの効果の解明と教育法の提案

伊豆, 裕一

2018
内容記述
静岡文化芸術大学
デザイン学
デザインスケッチ(以下:スケッチ)を用いた、デザイナーの創造行為における思考過程の解明と効果的なスケッチ教育法の開発に向け、スケッチとともにデザイン教育において重視される静物画デッサン(以下:デッサン)とスケッチとの関係を分析した。スケッチは、デザイン案のイメージを可視化することでデザイ案の発想を促す目的で使用されるのに対し、デッサンは造形教育の基礎として、目の前に置かれた対象物の形状を理解し正確に表現することが求められるなど、両者の目的は異なる。一方で、透視図法や陰影法など、使用される表現スキルには共通点も見られる。そのため、デッサンスキルとスケッチスキルを比較することで、スケッチを用いた創造的な思考過程の解明と、効果的なスケッチ教育法の開発に向けた知見を得ることを目的として研究を進めた。複数の対象者の描いたスケッチとデッサンを評価し、因子分析、クラスター分析を用いて分類した。その結果、デッサン教育とスケッチ教育の両方を受けたデザインを学ぶ大学生においても、デッサンスキルとスケッチスキルは一致するものではなく、多くの学生はどちらかが優れる一方、もう一方は劣るグループに分かれることを確認した。さらに、描かれたデッサンとスケッチを分析することで、同一の対象者において、本来共通するスキルである透視図法が両者の間で異なるレベルで活用されるなど、多くの対象者にとって、デッサンスキルとスケッチスキルは異なるスキルとして習得されていることを確認した。

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