紀要論文 自然環境保全のための対話の設定と地元のストレス(研究ノート)

平井 , 勇介

17 ( 2 )  , pp.229 - 339 , 2016-03 , 岩手県立大学総合政策学会
ISSN:1344-6347
内容記述
 本稿の目的は、自然環境保全活動における「対話の場」の失敗の原因を明らかにすることにある。事例地では、多様なアクターの参加する自然再生協議会が設置され、活動計画などについての話し合いがもたれた。しかし、地域住民組織が協議会から脱退したことで、環境保全活動は停滞状態となってしまった。失敗の原因は次のとおりである。自然環境の問題は、地域住民にとって土地の問題とも受け取れるものである。土地問題は多くの地域で個別の事情を抱え、密接に人間関係と結びついている。そのため地域住民は、「対話の場」において土地問題の事情を説明できないことがある。すなわち、対話の前提となる、意見の根拠が表明されない/できないことがしばしばあるといえる。この状況下で、住民組織は対話におけるストレスを積み重ね、最終的に脱退を決断したと考えられる。本事例からいえるのは、自然環境保全活動においては地域住民組織の意見調整機能を重視した、2重の意思決定システムが適しているということである。この意思決定の在り方は、地域住民組織の意思決定を優先し、その後に地域外のアクターが同席した「対話の場」を設定するという意思決定システムである。
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