Departmental Bulletin Paper 回想法・ライフレビューの倫理を巡って

野村, 豊子

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 回想法は,1960 年代の始め,アメリカの精神科医Butler が,「現実からの逃避」等と否定的に見られがちだった高齢者の回想の価値観を変えたことに始まる.回想法とライフレヴューは,現在,内外において多様な展開を見せている.しかしながらその方法を巡る倫理に関しては,明確な提示には至っていない.本稿では,回想法とライフレヴューの歴史的展開を概観し,その臨床実践・研究に関わる倫理や背景としての価値観について考察を行う.回想法・ライフレヴューの効果と倫理上の課題,回想法・ライフレヴューにおける時・時間の意義と倫理,開始時の同意・契約に関する考慮点,語り手と聴き手の関係性とコミュニケーションにおけるパワー関係の特徴,死の回想を巡る課題という論点を筆者の臨床実践の振り返りも含めて検討した.回想法の適用の是非への議論,また,回想をしない自己決定という根柢の理解も必要であることが示された.
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