Departmental Bulletin Paper 変形性関節症患者のA desintegrin and metalloprotease-10(ADAM-10)発現についての検討

山村 亮:筆頭著者:責任著者  ,  豊島 洋一  ,  稲垣 克記  ,  磯﨑 健男  ,  笠間 毅

77 ( 2 )  , pp.188 - 193 , 2017-04 , 昭和大学学士会
ISSN:2187-719x
Description
A disintegrins and metalloproteinase(ADAM)familyは21種類が同定されており,Osteoarthritis(OA)やRheumatoid Arthritis(RA)の病勢に密接な関係があることが分かってきた.これまでOA軟骨に関連した報告は数編あるものの,OA滑膜組織や線維芽細胞に関連する報告は少ない.今回,滑膜組織と線維芽細胞でのADAM-10発現調節とその機能解析を行った.1)健常者(NL)群とOA群の滑膜線維芽細胞を炎症性cytokine(TNF-α)で刺激後にWestern blottingを施行し,ADAM-10発現の差を検討した.2)NL血清(n=29)とOA患者(n=16)血清中のADAM-10濃度をELISA法にて測定した.3)NL群とOA群の関節組織より分離培養した滑膜組織と滑膜線維芽細胞でのADAM-10発現を免疫染色法で検討した.1)OA群血清中のADAM-10はNL群に比して有意に高値であった.(579±84pg/ml and 97±26, respectively, P<0.05)これは年齢・性別・BMI・高血圧の有無に関連性はなかった.さらにOA血清での発現レベルはKellgren-Lawrence grading scales(K-L)で病期が進行すると増加する傾向にあったが,末期であるgrade Ⅳでは中等度のⅡ-Ⅲ群に比較して低い傾向にあった.2)OA滑膜線維芽細胞において,TNF-α刺激によりWestern blottingを行ったところ,非刺激細胞よりもADAM-10発現が顕著であった.3)滑膜組織・線維芽細胞ともに,正常よりもOAでADAM-10発現が顕著であった.ADAM-10がOA患者の血清と滑膜において,健常者と比較して高く発現していることが判明した.これはOAに対してADAM-10が炎症性変化進行に関与していることを示唆している.また,ADAM-10はTNF-α刺激下で滑膜組織に強く発現を認めており,ADAM-10が炎症性cytokineによって惹起されていることを示している.これらの結果は,OAとADAM-10との関連性が高く,細胞の増殖や炎症惹起に重要な役割を担っていることを示している.今後,ADAM-10を抑制することが出来れば,OAの発症や進行の抑止に繋がる可能性も示唆された.
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