紀要論文 末梢型肺癌(T1)における胸膜浸潤予測因子の検討―CTならびに術中胸膜所見と病理組織学的胸膜浸潤との関係―

林 祥子:筆頭著者:責任著者  ,  北見 明彦  ,  大橋 慎一  ,  佐野 文俊  ,  鈴木 浩介  ,  植松 秀護  ,  門倉 光隆

77 ( 2 )  , pp.162 - 169 , 2017-04 , 昭和大学学士会
ISSN:2187-719x
内容記述
臨床・手術病期の判定に胸膜浸潤の評価は重要であるが,術前あるいは術中に病理学的胸膜浸潤の有無を予測することは容易でない.術前CTおよび術中の胸膜所見における病理学的胸膜浸潤の予測因子を明らかにし,臨床・手術病期の診断精度の向上を試みた.2013年1月から2015年12月までに手術を施行した原発性肺癌303例中,術前CT肺野条件で腫瘍が臓側胸膜と接点を持ち,かつ最大径3cm以下の非小細胞肺癌125例を対象とした.病理組織学的に臓側胸膜非浸潤群88例と浸潤有り群37例とに分け,臨床・CT画像および術中所見の各因子を後方視的に比較検討した.CT画像所見ではGGA成分の有無,腫瘍と胸膜の接し方およびその長さ,最大腫瘍径など,術中所見に関しては病変部の胸膜における色調と形態の変化を評価項目とした.胸膜浸潤は男性例,喫煙者例で高率にみられた.画像所見では充実性腫瘍,胸膜と5mm以上接する腫瘍で有意に胸膜浸潤の頻度が増加した.一方で,胸膜陥入のみを有する腫瘍の約15%に胸膜浸潤がみられた.術中所見では,胸膜色調変化やひきつれ等の形態変化は共に病理学的胸膜浸潤の予測因子であることが示され,「色調変化あり形態変化あり」の感度56.8%,特異度75.7%,陽性的中率42.4%,陰性的中率84.7%,正診率62.4%であった.腫瘍径が小さいにもかかわらず胸膜陥入を有する腫瘍は,胸膜浸潤のリスクがやや高くなる可能性があり注意を要する.術中所見において,胸膜の色調および形態変化は病理学的胸膜浸潤の予測因子となり得る.
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