紀要論文 Small Island Stress負荷がラットの血液流動性および活性酸素代謝産物に与える影響

久光 直子:筆頭著者:責任著者  ,  THEIN Hlaing  ,  郭 試瑜  ,  石川 慎太郎  ,  久光 正

77 ( 2 )  , pp.156 - 161 , 2017-04 , 昭和大学学士会
ISSN:2187-719x
内容記述
ストレスが循環器系,消化器系をはじめとする生体系に悪影響を与えることはよく知られている.多くの動物実験では拘束ストレス,電気ショックストレスなど肉体的なストレス負荷に関するものが多く,精神的なストレス負荷に注目した動物実験モデルは少ない.今回,肉体的負荷より精神的負荷が多いと考えられる実験方法:Small Island Stress(SIS)を考案し,SIS負荷が動物に与える影響について血液流動性,酸化ストレス度および視床下部室傍核の活動性の変化に着目して検討した.SIS負荷:水槽に水を浸し,その中央水面上に小島を作った.小島にWistar系雄性ラットを長時間置くことでストレスを負荷した.餌,水は自由摂取できるようにした.SIS負荷時間は24時間,72時間,120時間とした.対照群は同時間通常飼育箱で個別飼育した.SIS負荷後,血液流動性については菊池式MC-FAN(Micro channel array flow analyzer)装置を用い,酸化ストレス度測定については活性酸素代謝産物d-ROMs Test(Reactive Oxygen Metabolites Test)を用いた.視床下部室傍核の活動性については同部位におけるc-fos陽性ニューロンの発現率の変化を指標とした.血液流動性はSIS負荷72時間,120時間群においてコントロール群に比較し,有意に低下した(p<0.05).活性酸素代謝産物(d-ROMs)はいずれのSIS負荷時間においてもコントロール群に比較して有意に増加した(p<0.05).また,視床下部室傍核のc-fos陽性ニューロンの発現率もSIS負荷群で明らかに増加した.ストレス負荷において変化が確認されている血液流動性低下,活性酸素代謝産物増加,視床下部室傍核c-fos陽性ニューロンの発現増加いずれもSIS負荷により確認されたことからSISは肉体的ストレスを負荷せずにストレスを与えることが可能な精神ストレス負荷環境であると考えられた.今後,精神ストレスに関する動物実験においてSIS負荷法が有用であることが示唆された.
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