Departmental Bulletin Paper ラット回盲部におけるslow waveの生後発達

遠藤 利行:筆頭著者  ,  飯塚 眞喜人:責任著者  ,  長谷川 義真  ,  大熊 公樹  ,  岡 厚  ,  矢倉 沙貴  ,  吉川 輝  ,  鬼丸 洋  ,  金丸 みつ子  ,  泉﨑 雅彦

77 ( 1 )  , pp.88 - 95 , 2017-02 , 昭和大学学士会
ISSN:2187-719x
Description
消化管平滑筋にはslow waveと呼ばれる電気的活動が見られ,slow waveの脱分極相が活動電位の発生の引き金となり消化管が収縮する.平滑筋が秩序をもって収縮,弛緩を繰り返すことにより,腸管内容物を混和し肛門側へ輸送する.この秩序をもった腸管運動が異常をきたす疾患として腸重積がある.腸重積は乳幼児に好発し,その過半数は特発性である.われわれは腸管運動の調節機構が乳幼児期ではまだ完全に発達しておらず,収縮と弛緩のリズムや大きさが不安定であることが腸重積の原因の1つであろうと考えた.つまり腸管運動の発生源である電気的活動のリズムや大きさが生後発達と共に安定するという仮説を立てた.本仮説を検証するため,ラットの摘出腸管標本を用い,腸重積の好発部位である回盲部における電気的活動の生後発達を調べた.実験には生後0~2日(P0-2),P6-8,P13-15,P20-22および成ラットを用い,ガラス吸引電極を用いて回腸末端および回盲弁付近から電気的活動を記録した.回腸末端はP0-2では小さく不規則な電位変動しか示さなかったが,P6-8以降から規則的で明白な電位変動つまりslow waveを示した.slow waveの周期および振幅の生後発達に伴う有意な変化は認められなかったが,それらの変動係数は日齢とともに減少し,P20-22で成ラットと同程度となった.一方,回盲弁付近は成ラットを除くすべての日齢で小さく不規則な電位変動しか示さなかった.成ラットでは約半数において回盲弁付近からslow waveが観察されたが,回腸末端のslow waveに比べて振幅が小さかった.以上,回腸末端ではわれわれの仮説通りslow waveの周期および振幅の変動が生後発達に伴い小さくなることが分かった.回盲弁付近では大多数の例で明白なslow waveを記録できなかったことから,回盲弁付近ではslow waveに伴う周期的収縮がないことが示唆された.
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