Departmental Bulletin Paper COPD患者における歩行後の経皮的酸素飽和度の回復過程に関連する因子の検討 

廣田 千香:筆頭著者:責任著者  ,  田中 一正  ,  川島 拓馬

75 ( 2 )  , pp.206 - 212 , 2015-04 , 昭和大学学士会
ISSN:2187-719x
Description
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は,歩行後も低酸素血症の持続を認めるが,低酸素血症の回復に関する研究は少ない.本研究は,歩行後持続する低酸素血症の経時的変化と,歩行後の低酸素血症の回復に関連する因子を明らかにすることを目的とした.対象は安定期COPD患者44例であり,Incremental Shuttle Walking Test (ISWT),6分間歩行試験(6MWT),呼吸機能検査を実施した.44例のうちISWTにて経皮的酸素飽和度(以下SpO2)の低下を認め,6分間連続歩行が可能であり,酸素療法を必要としない患者を対象に6MWTを施行した.歩行試験は,安静時のSpO2を基準とし,1秒毎に記録したSpO2の変化量とSpO2が歩行後安静時の値に回復するまでの時間を用いて歩行中から歩行後の1分毎の面積(SpO2低下面積値)を算出した.次に歩行後のSpO2低下面積値と測定項目の関連について検討した.対象者44例のうち,SpO2の低下を認めたのは38例であった.そのうち6MWTにおいてSpO2低下を認めたのは23例であった.両歩行試験において,歩行終了前1分間のSpO2低下面積値は,歩行後1分間では有意差を認めず,歩行後2分間のSpO2低下面積値は有意に低値となった(p<0.01).また,歩行後2分間のSpO2低下面積値と歩行後3分間のSpO2低下面積値は有意差を認めなかった.ISWTにおける歩行後のSpO2低下面積値の合計は,%一酸化炭素肺拡散能力(拡散能:DLco)と負の相関を認めた.6MWTにおける歩行後SpO2低下面積値の合計は,%最大呼気流量(PEF),%DLcoと負の相関を認めた.ISWTにおいて,%DLco低下群は正常群と比し,歩行後SpO2低下面積値の合計は有意に高値を示した(p<0.01).また,SpO2 低下面積値の回復に1分以上必要とする群は,1分未満の群と比し,%DLcoが有意に低値を示した(p<0.01).歩行後のSpO2回復には,拡散能が関連すると考えられた.また,6MWTは軽負荷であるが持続歩行を要し,ISWTは漸増負荷試験であるため,歩行時間に個人差が生じる.そのため,6MWTにおいて,SpO2低下面積値は,運動持続により拡散能だけでなく,呼気気流制限にも相関を認め,動的肺過膨張も影響したのではないかと考えられた.また,本研究において,歩行後少なくとも2分間は低酸素血症が持続する可能性があることが示唆された.このことから,歩行後は2分間を目安に休憩することが必要であると考えられた.
Full-Text

http://lilitory.showa-u.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=3947

http://lilitory.showa-u.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3947&item_no=1&attribute_id=38&file_no=1

Number of accesses :  

Other information