Departmental Bulletin Paper 谷口ジローの“散歩もの”漫画をめぐる考察 : フィロバティズム(M, Balint.)の視点から
A study of Jiro Taniguchi’s Comics of Walking(Sanpomono) : from the point of view of Philobatism(Balint, M.)

二木, 文明  ,  角田, 美穂

16pp.33 - 42 , 2018-03-31 , 東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
ISSN:13484567
NCID:AA11886305
Description
谷口ジローには“散歩もの”とでも呼びうる漫画がある。たとえば、『歩く人』や『散歩もの』、『ふらり』、『ヴェネツィア』などがそれであり、さらには自然を扱った漫画もこれに含まれるだろう。それら散歩もの漫画の主人公たちは、Balint,M(マイクル・バリント)のいう「フィロバティズム」(散歩などによる、人間不在の広がりへの一体化と充足の志向)の心性を有しているのではないかと考えられるが、作者の谷口自身も同じ心性を持っていたと推測される。しかし、フィロバティズムだけでは人間関係や社会に適応できないため、フィロバット(フィロバティズム的心性の持ち主)は対象や物に対する拘泥という仕方で人生を乗り切っていこうとする。谷口も漫画家となり、当初は細密さと静止性(拘泥の表れ)を特徴とした作品を描き続けていたが、東京郊外への転居をきっかけとして、自らの心の奥に潜む広がりへの志向(フィロバティズム)に気づき、散歩もの漫画を手掛けるようになったことは十分に考えられる。
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