会議発表用資料 イネにおけるイオンビーム誘発変異のゲノム解析

大野, 豊  ,  市田, 裕之  ,  野澤, 樹  ,  森田, 竜平  ,  加藤, 浩  ,  阿部, 知子  ,  長谷, 純宏

2018-11-29
内容記述
イオンビームは、化学変異剤やガンマ線とは異なる変異誘発機構で変異を引き起こすと考えられており、植物や微生物の品種改良に利用されている。イオンビームで誘発される変異の特徴についてはマーカー遺伝子を指標にして調べられてはいるが、ゲノム全体でどの程度変異が誘発されるのかは十分明らかになっていない。そこで、農業上重要なイネを材料に、炭素イオンビームを照射して得られた個体の後代の個体のゲノム解析を実施し、イオンビームで誘発された変異の数や特徴をゲノムレベルで俯瞰することを試みた。 高崎量子応用研究所において炭素イオンビーム(320 MeV 12C6+ 40 Gy)をイネ種子(日本晴)に照射した。温室や圃場にて次世代の個体より変異体候補をスクリーニングした。そのうち矮性2系統、早生3系統について、エキソーム解析を実施した。 その結果5系統合計で56個の変異を検出し、そのうち24個が塩基置換、28個が挿入欠失であった。また33.6k bpの大きな欠失や534K bpの逆位も検出された。変異は12本の染色体すべてに分布していた。また、これらの変異のうち6個はフレームシフト変異やエキソン喪失等のタンパク質の機能に重大な影響を及ぼす可能性のある変異であった。5系統のうち矮性1系統、早生3系統においては、フレームシフト変異やエキソン喪失が起きた遺伝子のリストの中に変異形質の原因遺伝子である可能性の高い遺伝子(Dwarf 1, Phytochrome B, Heading date 16, Heading date 1)がみつかった。イオンビーム変異誘発とゲノム解析とを組合わせることにより、変異の原因遺伝子を容易に絞り込めることが示された。
第41回日本分子生物学会年会

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報