Presentation Dynamics of a collisionless plasma boundary layer in a laser-irradiated cluster medium and application to cosmic plasma

松井, 隆太郎  ,  福田, 祐仁  ,  岸本, 泰明

2018-06-28
Description
クラスター媒質(クラスター+背景ガス)に高強度レーザーを照射することで、クラスターイオンと背景ガスイオンとの接触面近傍には無衝突プラズマ境界層が形成される。自然界において、無衝突プラズマ境界層は、高密度プラズマの低密度背景プラズマ中での爆発現象により形成される、普遍的な構造である。本研究では、無衝突プラズマ境界層でのイオンの構造形成とダイナミクス、電場構造、および、イオン加速メカニズムを明らかにすることを目的として、相対論的電磁粒子コードEPIC3Dを用いて、実験のパラメータを参考に、パルス幅33 fs(FWHM)、波長0.81 um、直線偏光で最大集光強度が1.0×10^19 W/cm^2の高強度レーザーと、クラスター媒質(直径0.25 umの単一炭素クラスター+背景水素ガス)の相互作用を模擬する2次元シミュレーションを行った。    その結果、無衝突プラズマ境界層の構造は、(1)接触面の保持と無衝突衝撃波による上流背景ガスイオンの反射・加速、(2)クラスターと背景ガスの混合領域の形成と、背景ガス圧縮面の非線形波としての上流イオンの反射・加速、(3)非線形波によるイオン加速の終焉にトリガーされる、背景ガス圧縮面の希薄波への進展、という3段階で質的に変化することを明らかにした。本研究で明らかにした、背景ガス中でのクラスターの膨張ダイナミクスとそれに伴う構造形成過程は、背景星間ガス中での超新星爆発によりトリガーされる、超新星残骸の構造形成過程と類似の現象であると捉えることができる。すなわち、クラスターが背景ガスを圧縮すること形成された背景ガスの圧縮面近傍には、正負の両極を持つ電場が生成する。背景ガスの圧縮面は、希薄波として崩壊する過程で、この電場を介してクラスターを中心方向に圧縮・減速し、クラスター中に階段状の構造を形成する。この構造は、背景ガスとクラスターとの初期の密度差を小さくすることでより顕著に表れ、初期の密度差を25倍程度に調整した場合は、一度膨張したクラスターは背景ガスによりクラスターの中心方向に押し戻され、凝縮することを見いだした。この現象は、超新星残骸中での、背景星間ガスの押し戻しによる内部衝撃波の生成メカニズムとの関連からも興味深い。また、背景ガスの圧縮面近傍に生成する両極性電場は、低エネルギーの電子を捕捉する静電ポテンシャルを形成する。高エネルギーの非捕捉電子の運動と低エネルギーの捕捉電子の運動により、この電場構造はレーザーパルスの通過後長時間保持される。電子の運動論的平衡状態により保持されるこの電場構造は、地球の磁気圏尾部における準安定静電孤立波との類似点からも、実験室プラズマのみならず、宇宙プラズマにおいても普遍的に存在する構造であると考えることができる。
第12回核融合エネルギー連合講演会

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