Presentation β-ガラクトシダーゼ活性の検出を指向した化学交換飽和移動を用いる核磁気共鳴分子プローブの検討

近藤洋平  ,  野中洋  ,  高草木, 洋一  ,  青木, 伊知男  ,  山東信介

2018-06-01
Description
 核磁気共鳴 (MR: Magnetic Resonance) は、生体深部での現象を分子レベルで解析可能にす る優れた観測手法である。この MR 法を用いた生体解析の精度をさらに向上させることを目指し、 撮像法や造影剤の改良など様々な試みがなされている。その中でも、プロトンの交換によるバル ク水のシグナル減少に着目する化学交換飽和移動 (CEST: Chemical Exchange Saturation Transfer) を用いた MR イメージング法である CEST イメージングが近年注目を集めている 1。CEST イメージングでは対象化合物の交換性プロトンに選択的にラジオ波を照射し、その MR シグナルを飽和させる。シグナルが飽和した対象化合物のプロトンとバルク水のプロトンの交換 が連続的に生ずることによりバルク水の MR シグナルが減少する。このシグナル減少を検出する ことで間接的に化合物をイメージングすることができる。実際に、酵素反応や生体内での対象化 合物の動態を観測することに成功した例もあり 2, 3、CEST イメージングは特定の化合物分子の分 布を可視化しうる新たな MR イメージング法としてその有用性を示しつつある。 今回、検出対象として β-ガラクトシダーゼを選択した。β-ガラクトシダーゼは、レポータータンパク質としてよく用いられる酵素であり、生体内での β-ガラクトシダーゼ活性を検出すること は遺伝子発現の可視化や疾病診断への応用が期待される。CEST イメージングを用いた β-ガラク トシダーゼ活性検出を指向する MR 分子プローブとして、サリチル酸部位と酵素反応部位をスペ ーサーで連結した分子プローブが報告されている 4。実際に、in vitro における β-ガラクトシダー ゼ活性検出は実現しているものの、生体内での活性検出には至っていない。本発表では、既存の 分子プローブの問題点を考察し、CEST イメージングを用いた β-ガラクトシダーゼ活性の検出を 指向した新たな MR 分子プローブについて検討したので報告する。
第 13 回日本分子イメージング学会総会・学術集会

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