Presentation セレン欠乏モデルマウスの作製と肝GSH-Px活性の変化

上野, 恵美  ,  中西, 郁夫  ,  松本, 謙一郎

2018-03-27
Description
【目的】必須微量元素であるセレン(Se)の欠乏は、過酸化水素(H2O2)の消去に深く関わっているグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)活性を低下させるため、生体はH2O2を介した酸化ストレスに曝されることが予想される。妊娠後期の親ラットからSe欠乏飼料(オリエンタル酵母工業(株))を摂取させると、仔ラットを比較的早期からSe欠乏状態とするモデルが既に報告されているが1)、マウスの場合、同じ方法では仔が発育せず、若い週齢のSe欠乏マウスの作製が難しい。そのため、8週齢以下でGSH-Pxが失活するマウスモデルを得るため、作製条件の検討を行った。【方法】妊娠後期のC3H/HeSlc系マウス(日本エスエルシー(株))を購入し、MB-1飼料((株)フナバシファーム)で飼育を開始した。出産直後(仔0週齢)、出産2週間後(仔2週齢)、離乳時(仔4週齢)、またはそれ以降からSe欠乏飼料による飼育に切り替えた。飲水は飼育期間中超純水を与え、8週齢に至った仔マウスの肝GSH-Px活性を測定した。【結果および考察】出産直後にSe欠乏飼料に切り替えた群は、仔は離乳期より前に死亡した。一方、出産2週間後からSe欠乏飼料を摂取させた場合は、仔は離乳(4週齢)まで成長し、引き続き仔にSe欠乏飼料と超純水を摂取させた結果、8週齢時において肝GSH—Px活性がほぼ失活した。離乳時(4週齢)以降からSe欠乏飼料で飼育を開始した実験では、GSH-Pxが失活するのに6週間以上要した。マウスの発育にSeは重要な役割を持つと思われるが、Se欠乏飼料を与える時期により、比較的早期(8週齢)のSe欠乏モデルを得られることが可能になった。Matsumoto, K. et al., Biol. Pharm. Bull., 23: 641-644, 2000.
日本薬学会第138年会

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