会議発表用資料 タンパク質のパッキングをコントロールする疎水性残基導入

小坂, 恵  ,  山田, 秀徳  ,  二見, 淳一郎  ,  多田, 宏子  ,  今村, 維克  ,  玉田, 太郎

2017-11-24
内容記述
タンパク質の立体構造研究を成功させるためには、タンパク質分子そのものの物性や対称性を制御する取り組みが必要である。著者らは、結晶化しにくい難結晶性タンパク質は、結晶化の際に規則正しく並ぶためのパッキング相互作用が不足しているのではないかと考えた。一方、多くの天然タンパク質が分子表面の疎水性残基同士でパッキングしていることから、このようなパッキング部位を意図的に付加することにした。そこで、難結晶性タンパク質であるヒトRNase 1のN末端側から数えて2番目または3番目のα-へリックスの溶媒側に、2個から4個のロイシンからなるロイシンジッパー様の疎水性パッキング部位を変異導入した。その結果、意図した通り、導入した疎水性残基同士でパッキングした質の高い結晶が得られ、構造解析にも成功した。 次に、本来持つパッキング相互作用が強いと思われるウシRNase Aにこの方法を適用した。すなわち、2番目のα-へリックスの溶媒側に3個のロイシンからなるロイシンジッパー様のパッキング部位を導入し、結晶化を試みたところ、wt-RNase Aとは形状が異なる結晶が成長した。この3L-RNase A を解析した結果、wt-RNase Aの空間群とは異なる空間群を持ち、また導入した疎水性部位でパッキングしていることが明らかになった。これは、wt-RNase Aが本来持つパッキングサイトよりも強力であることが示唆される。以上のことから、疎水性残基をタンパク質分子表面に導入することがパッキングをコントロールし、ひいては結晶化を促進し得るがこと示唆される。
平成29年度日本結晶学会

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