Presentation シマミミズ (Eisenia fetida) 由来マンナナーゼ活性に及ぼす塩橋の影響について

中, 裕規  ,  平野, 優  ,  中澤, 昌美  ,  阪本, 龍司  ,  玉田, 太郎

2017-11-25
Description
マンナナーゼはβ-1,4-マンノシド結合を加水分解し、マンノビオースやマンノトリオース等のマンノオリゴ糖を生産する酵素であり、微生物、植物、軟体動物など様々な生物に存在する。当研究グループで得られたシマミミズ(Eisenia fetida)由来マンナナーゼ(Ef-Man)の高次構造は好冷性酵素である南極トビムシ(Cryptopygus antarcticus)由来マンナナーゼ(Ca-Man)の構造と似ていることが明らかとなった。しかし、Ef-ManはCa-Manに比べ低温活性が低いということが判明した。この違いが構造のわずかな違いに起因していると考え、本研究では、タンパク質の構造の安定化に寄与している塩橋に着目した。これまでに塩橋を消失させることにより低温活性が向上したという報告があり、酵素の低温適応性において塩橋は重要な因子であると考えられている。しかし、塩橋を消失させることで低温活性が向上するという報告は存在するが、塩橋を弱めた際の影響についての報告はほとんど存在しない。そこで、Ef-Manに存在する塩橋を弱めることで低温活性を向上させるとともに、マンナナーゼ活性に及ぼす塩橋の影響についての知見を得ることを目的として本研究を行った。本研究ではR125、R213、R302の三つのアミノ酸残基に注目し、部位特異的変異導入法を用いてR125K、R213K、R302Kの3種の変異酵素を作製した。野生型(WT)と変異酵素3種の低温活性を比較したところ、R302KがWTよりも高活性を有することが明らかとなった。活性向上に寄与したR302に注目し、塩橋を消失させたR302Aを作製した。R302AもR302Kと同様に低温活性の向上が確認されたが、R302Kに比べ熱安定性が低下することが明らかとなった。これは塩橋が消失したことで構造が柔軟になり、安定性が低下したためだと考えられる。以上の結果より、塩橋を弱めるという方法は熱安定性を維持しながら低温活性を向上させることが明らかとなった。今後は、熱以外の安定性の差を調べると共に、結晶構造解析を行うことで活性に与えた影響を調べる予定である。
第2回次世代生物研究会

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