会議発表用資料 植物色素合成遺伝子に着目した遺伝子発現と変異誘発頻度の関係を調べるための 検出系の開発

平田, 翔也  ,  北村, 智  ,  佐藤, 勝也  ,  鳴海, 一成  ,  大野, 豊

2017-12-07
内容記述
我々は、電離放射線の一種であるイオンビームを利用して植物や微生物の突然変異を誘発して有用品種を作出するイオンビーム育種を行っている。より効率のよいイオンビーム育種を可能とするためには、イオンビーム誘発突然変異の特徴を解析し、特定の変異を効率よく引き起こす因子を明らかにする必要がある。本研究では、遺伝子発現の変異誘発頻度への影響を調査するため、植物のフラボノイド色素の合成を支配する、発現時期の異なる2種類の遺伝子(TT4遺伝子とTT8遺伝子)に着目して、シロイヌナズナのイオンビーム変異体を利用し、遺伝子発現と変異誘発頻度の関係を調べるための実験系の開発を行った。シロイヌナズナのイオンビーム変異体ban tt4変異体とban tt8変異体は、色素合成系の一部が欠損しており、その未熟種子はいずれも透明色に、乾燥種子はそれぞれ薄い黄色または濃い黄色となる。この両者を交配したF1個体(ban TT4/tt4 TT8/tt8)の未熟種子は赤色を呈する。F1個体を変異原処理することによってTT4遺伝子またはTT8遺伝子の正常アリルに変異が起きた場合(Loss of Heterozygosity)、未熟種子や乾燥種子の色を観察することより、通常は変異の検出が困難な照射当代の個体において変異誘発を簡便に検出できる。また、TT4遺伝子とTT8遺伝子は発生段階やショ糖ストレス応答において遺伝子発現パターンが大きく異なる。そこで、遺伝子発現差の大きい発生時期やショ糖処理により、両遺伝子の発現の差を制御した状況で変異原処理し、tt4変異種子とtt8変異種子の出現頻度を乾燥種子の色によって区別し比較することで、変異誘発頻度に対する遺伝子発現の影響について調査できる。本発表では、F1集団の発芽24時間後の実生に炭素イオンビーム(12C5+、220 MeV)を照射して得た結果について報告する。
第40回日本分子生物学会年会

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報