会議発表用資料 平面型カテキン誘導体のラット胸腺細胞に対する放射線防護作用

関根, 絵美子  ,  中西, 郁夫  ,  今井, 耕平  ,  上野, 恵美  ,  下川, 卓志  ,  松本, 謙一郎  ,  福原, 潔

2017-09-08
内容記述
 放射線がん治療では放射線照射で水から生成するヒドロキシルラジカルにより、がん細胞周辺の正常組織が障害を受ける。この副作用を軽減することができれば放射線治療をされに高度化することができる。しかし、低毒性の放射線防護剤の報告例は少ない。我々は以前に(+)-カテキンのラジカル消去活性を向上させる目的で平面構造を有するカテキン誘導体を開発した(J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 5952)。本研究では、この平面型カテキンの放射線防護活性について検討した。 ラット胸腺細胞に2 GyのX線を照射すると、アポトーシスにより細胞ザイズが縮小した(Anal. Chem. 2013, 85, 7650)。X線照射前に(+)-カテキンまたは平面型カテキンを加えておくと、このアポトーシスが顕著に抑えられた。平面型カテキンは(+)-カテキンよりも強力な放射線防護活性を示した。リン酸緩衝液(0.1 M, pH 7.4)中、25℃で、β-シクロデキストリンで水溶化した2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジルラジカル(Chem. Commun. 2015, 51, 8311)と平面型カテキンとの二次反応速度定数(k = 9.6 × 10(3) M(-1) s(-1))は(+)-カテキンの値(k = 9.9 × 10(2) M(-1) s(-1))よりも約10倍大きいことが分かった。また、平面型カテキンは(+)-カテキンよりも脂溶性が高いことが報告されている(B. Poaty et al., Eur. Food Res. Technol. 2009, 230, 111)。以上の結果から、平面型カテキンの高い放射線防護活性は、(+)-カテキンよりも高いラジカル消去活性と脂溶性が寄与していることが示唆された。
第11回バイオ関連化学シンポジウム

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