会議発表用資料 イオンビーム育種による低シュウ酸イネの作出

宮城敦子  ,  西丸拓也  ,  針谷のぞみ  ,  大野豊  ,  長谷純宏  ,  長野稔  ,  石川寿樹  ,  山口雅利  ,  川合真紀

2017-08-29
内容記述
近年、輸入飼料の価格高騰や品質低下などの影響を受け、国産の稲わらの飼料利用が推進されている。一方で、イネは他の飼料用植物に比べて葉にシュウ酸を多く蓄積する。シュウ酸は2価の陽イオンと結合し不溶化するため、シュウ酸を高蓄積する作物の過剰摂取は家畜のミネラル不足や腎結石などの重篤な症状を引き起こす。そのため、稲わらの飼料利用の促進のためには、イネ茎葉の低シュウ酸化が重要な課題の1つとして挙げられる。そこで、本研究ではイオンビーム育種に着目し、葉のシュウ酸含有量を低下させたイネの作出を目指している。まず、イオンビーム照射(12C+6、320 MeV)コシヒカリ(M2世代)約800個体の葉においてCE-QQQ-MSを用いてシュウ酸含有量を測定した。その結果、シュウ酸含有量が非照射個体の1/10程度に低下した個体が得られた。これらの低シュウ酸個体においてメタボローム解析を行ったところ、低シュウ酸個体では代謝物パターンが個体によって異なることが明らかになった。次に、これらの植物体における低シュウ酸化がイオンビーム照射による遺伝的背景に起因するかどうかを検証するため、後代(M3)についてもシュウ酸含有量を測定したところ、後代においても低シュウ酸個体を見出すことが出来た。さらに、成長の指標として草丈を測定し、シュウ酸含有量との相関解析を行った。その結果、これらの候補個体では、成長を損なうことのなく非照射個体の6割程度までシュウ酸含有量を低下させられることが示唆された。
第35回日本植物細胞分子生物学会大会

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