学術雑誌論文 粒子線照射によるカンキツ変異体DNA多型検出について

松山, 知樹  ,  戒崎, 俊一  ,  和田, 智之  ,  北村, 尚  ,  下川, 卓志  ,  八幡, 昌紀

25 ( 1 )  , pp.71 - 74 , 2017-01 , 日本DNA多型学会
内容記述
陽子線やイオンビーム等の粒子線は、強度・照射野・照射深度の制御可能という特徴を有し、既にガン治療をはじめとする医療分野で実用化されている。植物分野でも変異体誘発・育種に利用され、多々の新品種が育成されてきた。一方で、我々は粒子線照射後に形態・形質に変異のなかった植物体からDNA多型を検出し、品種「内」識別に相当するDNAマーカーを開発してきた。これを「DNAマーキング」とし、キク、シンビジウム等の花卉類を中心に事例を重ねた、これらの成果をもとに、現在、同じ栄養繁殖性の木本植物において同様の展開を試みている。木本のモデルとして、「多胚性」と呼ばれる形質を有したカンキツを供試した。この形質は1つの種子から2つ以上の芽を出す現象であり、胚のうを取巻く珠心細胞から胚(珠心胚)を生じる無生的生殖に起因する。珠心胚の発生により、受精があった場合、1つは受精胚となり残りは珠心胚由来の母系クローンとなり。この特徴を活用し、根の損傷回避を図った地上部のみへの粒子線照射を行い、DNAマーキングを進めた。その結果、キメラ(モザイク)性の解消された変異体やゲノムDNAの変異誘発の確認に至っている。この過程で、受精胚由来と考えられる植物体が見出されたため、ここでは育種利用を鑑みたDNA多型解析と併せて報告する。

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