Presentation HER2陽性乳癌幹細胞に対する炭素線と分子標的薬Lapatinibとの併用による殺傷機序

崔, 星  ,  林, 光弘  ,  鈴木, 雅雄

2017-07-13
Description
【目的】乳癌はサブタイプにより治療方針も異なるが、HER2陽性タイプはHER2を標的とする分子標的薬の登場により劇的に改善された。しかし、HER2陽性群は依然HER2陰性群に比べ再発や転移を来しやすい。本研究では、炭素線とEGFR とHER2を同時に阻害するデュアル阻害剤Lapatinibとの併用によるHER2陽性乳癌幹細胞への殺傷メカニズムについて調べる。【方法】超高速セルソーターFACSAria, FACS Calibur, ProMega CellTiter-GloやLightCycler Real-Time PCR Systemを用いて、HER2陽性乳癌細胞BT474、SKBR3における炭素線、X線単独或はLapatinib との併用による細胞生存率、apoptosis誘導、癌幹細胞の割合変化、細胞周期の変化、spheroid形成能、細胞死(apoptosisやautophagy)関連遺伝子発現変化及びDNA損傷の違いについて比較検討した。【結果】BT474、SKBR3細胞においてCD44+細胞集団は検出できず、ESA+/CD24-細胞集団は0.9~1.5%と存在し、ESA-/CD24+細胞集団に比べ有意に高いspheroid形成能を有することが認められた。炭素線、X線照射単独に比べ、炭素線とLapatinib との併用はHER2陽性乳癌細胞のapoptosisを顕著に誘導し、細胞生存率を有意に低下させた。また、ESA+/CD24-割合は、炭素線とLapatinibとの併用処置では顕著に減少させた。細胞周期、遺伝子発現解析ではG2/M期延長やcaspase3, Beclin1, LC3の発現が炭素線とLapatinibとの併用処置により有意に上昇し、DNA損傷解析ではより大きいサイズのH2AX fociが認められた。【結論】以上より、炭素線とLapatinibとの併用は炭素線、X線照射単独に比べ、HER2陽性乳癌幹細胞をより有効に殺傷することが示唆された。
第25回日本乳癌学会総会

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