Presentation 無機硫黄化合物加水分解酵素の結晶構造

玉田, 太郎  ,  長谷, 成記(岡山大学)  ,  平野, 優  ,  小坂, 恵(岡山大学)  ,  上村, 一雄(岡山大学)  ,  金尾, 忠芳(岡山大学)

2017-06-22
Description
原油の精製工程で出る脱硫硫黄は、その大量余剰(廃棄)が問題となっている。現在は物理的処理(特定箇所への集積)化学的処理(農業肥料としての硫安の生産)が行われているが、一般に省エネルギー・低コスト・低環境負荷とされる生物的処理方法は開発されていない。我々は硫黄を好んで食べる硫黄酸化細菌の一種Acidithiobacillus ferrooxidansをモデル微生物として、この硫黄代謝を解明し、硫黄の生物的処理方法の開発を目指した基礎研究を行なっている。本研究では、鉄硫黄酸化細菌A. ferrooxidansの硫黄代謝における鍵酵素のテトラチオン酸加水分解酵素(4THase)について、結晶構造解析を実施した。大腸菌を宿主にrefoldingにより活性化して得た組換え型酵素(Af-Tth: 50kDa)を結晶化に供した。位相決定はSe-Met結晶を用いたSAD法により行い、最終的に1.75 Å分解能で構造決定した。Af-Tthの構造は8-bladed beta-propeller foldに分類できたが、DALIサーバでヒット(Z=35)した外膜に存在するリポタンパク質BamB との間に機能相関は見られなかった。さらに、基質であるテトラチオン酸を浸漬させた結晶を作製した結果、基質由来と思われる電子密度を確認した。この電子密度から3.2Åの距離にAsp残基を確認したが、このAsp残基は他種由来の4THaseでも保存されていることからも重要な役割を担うと考えられた。実際に、部位特異的変異導入でこのAsp残基をAsn残基に置換した酵素では、活性が完全に消失した。
第17回日本蛋白質科学会年会

Number of accesses :  

Other information