Presentation 放射線がん治療の併用療法を目指した抗酸化剤の設計と合成

今井, 耕平  ,  中西, 郁夫  ,  山本, 奈知  ,  松林, 智子  ,  小田中, 友紀  ,  松本, 謙一郎  ,  福原, 潔

2017-03-27
Description
【目的】放射線がん治療では、生体内の水分子からヒドロキシルラジカル(・OH)を発生させてがん細胞を殺傷させる。しかし、正常細胞で発生する・OHが副作用の原因となり問題となっている。活性酸素種を消去する抗酸化剤を併用すれば、正常細胞で発生する・OHを消去できると予測されるが、がん細胞で発生する・OHに対しても消去活性を示すため、抗腫瘍効果の低下が予測される。このため,放射線がん治療に併用可能な抗酸化剤は、がん細胞と正常細胞の異なる環境に応じたラジカル消去活性の変化が必要である。すなわち、正常細胞では・OHを強力に消去し、がん細胞では発生させる・OH量に影響を与えない抗酸化剤を開発できれば、副作用の少ない放射線がん治療が可能となる。本研究では、がん細胞で選択的にラジカル消去活性がオフになる環境応答型抗酸化剤の開発を行った。【結果】ケルセチンの配糖体であるルチンのフェノール性水酸基をベンジル基で保護した後、塩酸加水分解でルチノースの脱離を行なった。生成したケルセチン誘導体の3位の水酸基をトシル化後、アミンによる置換反応を行い、さらに脱保護によって目的化合物アミノケルセチン(AQ1、AQ2)を合成した。合成したAQ1のラジカル消去活性は、有機溶媒中でケルセチンよりも高く、酸性条件下では顕著に低下した。本発表では、詳細な合成方法とAQ2のラジカル消去活性についても報告する。
日本薬学会第137年会

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