会議発表用資料 オイル産生藻のイオンビーム育種

新家, 弘也  ,  鈴木, 石根  ,  白岩, 善博  ,  長谷, 純宏  ,  大野, 豊

2017-01-26
内容記述
藻類を利用したバイオ燃料生産は、単位面積あたりの生産量が陸上植物よりも高く、食料生産と競合しないなどの利点を持つため、次世代エネルギーの候補として注目されている。しかし、藻類バイオマス産業の進展のためには、既存のオイル産生藻を改良し、よりオイル生産に適した有用変異体(オイル高蓄積株あるいは高い増殖速度を持つ株)を作出する必要がある。本研究では、世界で5種のハプト藻しか合成しない超長鎖脂質アルケノンに着目し、その1種であるTisochrysis luteaを用い、よりオイル生産に適した有用突然変異系統等の作出に寄与するイオンビーム利用技術の開発を実施した。具体的には、イオンビームを照射の放射線感受性、突然変異の誘導に最適な線量・照射方法を検討すると共に目的形質が安定した有用変異体の取得を試みた。 まず、寒天培地上に置いたTisochrysis lutea (T-Iso株)に対して0 ~ 3000 Gy相当のイオンビーム照射を320MeVの12C6+で行った。その後、約1週間後に寒天培地上に形成したコロニーの数を測定し、放射線感受性を調べた。イオンビーム照射後に得られた各コロニーは、個々に培地へ移しそれぞれを変異株として維持した(約5000株)。その後、91変異株についてアルケノン生産量の評価を行った。 その結果、120 Gy ~ 3000 Gy照射ではコロニー形成を確認できなかった。生存曲線からT. luteaのコロニー形成率の半分に当たるイオンビーム照射線量が約30 Gyであることが分かった。また、80 Gy照射から7株(変異率22%)、20 Gy照射から21株(変異率36%)、アルケノン生産性の向上した株を得ることが出来た。このことから、コロニー形成率50%辺りの照射線量が有用変異体取得に適していることが示唆された。
題1回QST高崎研シンポジウム

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