Journal Article がんの特性を標的としたがん分子PET画像診断― F-18 FEDAC PETおよび C-11 AIB PET―

西井, 龍一  ,  辻, 厚至  ,  加藤, 孝一  ,  河村, 和紀  ,  張, 明栄  ,  吉永, 恵一郎  ,  東, 達也

50 ( 1 )  , pp.2 - 5 , 2017-01 , 放射線診療研究会
ISSN:09125817
Description
がんの早期発見から、治療前の病変の進展範囲、転移の有無の診断、さらに治療計画、治療中、治療後の経過観察に至るまで、ポジトロン放出断層法(Positron Emission Tomography : PET)をはじめとする画像診断は、診療に深く関わっている。特に2-デオキシ-18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたPET([F-18] FDG PET)はグルコースの代謝率を定量的に画像化するものであり、今日までのがん診断の発展にもっとも寄与してきた分子画像診断である。しかし[F-18] FDG はグルコースの代謝を反映するPET用プローブであるがゆえに炎症部位にも集積し、腫瘍のみに特異性を示さない欠点がある。また、脳には生理的に高い[F-18] FDG 修正を示すため、脳のような集積の高い部位に発生する腫瘍に対しては的確な診断に苦慮する。 放射線医学総合研究所では、がんの本態解明から早期発見さらには新規がん治療薬開発ならびに新規医療技術開発そして標準化医療をサポートする日本発の革新的なPET分子画像診断法を確立し広く普及させることを最終目標として新規PETイメージングの臨床展開を行っている。特に[F-18] FDG とは集積メカニズムが異なるがんの特性に着目したPET用分子プローブの開発研究を行っている。近年、我々はがん特有の組織環境(がん微小環境)を捉えることが可能なPET用分子プローブやタンパク質合成の亢進を反映するアミノ酸誘導体のPET用分子プローブあるいは腫瘍に異常に発現するたんぱく質を画化できるPET用分子プローブ等を開発しがんの病態解明を行ってきた。低侵襲分子画像診断法によるがんのプロファイリングを行うことで、がん患者の個別化医療の実現をサポートし、最終的にはがんによる死亡率の減少、がん医療の質の向上、ひいては安寧な健康福祉社会の実現に貢献することを目標としている。 本稿ではこれから臨床展開を予定している[F-18] FEDAC PETおよび [C-11] 3C-AIB PETについて紹介する。

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