会議発表用資料 セリンプロテアーゼ静止状態の中性子結晶構造解析

玉田, 太郎  ,  友寄, 克亮  ,  木下, 誉富(大阪府立大学大学院理学系研究科)  ,  山田, 貢(宇宙航空研究開発機構 きぼう利用センター)  ,  栗原, 和男  ,  黒木, 良太(故人)(日本原子力研究開発機構)  ,  多田, 俊治(大阪府立大学大学院理学系研究科)

2016-12-01
内容記述
セリンプロテアーゼはその名のとおり触媒残基としてセリンを有するタンパク質分解酵素で、セリンに加え、ヒスチジン、アスパラギン酸が触媒基として活性中心に位置している。これまで、我々は創薬標的タンパク質としても知られているエラスターゼを研究対象として、中性子と放射光X線を組み合わせた構造・機能研究を実施してきた。本発表では、エラスターゼ静止状態(反応開始前)の中性子結晶構造解析結果を報告する。回折実験はJRR-3に設置したBIX-3において室温下で実施し、1.9Å分解能の中性子回折データを収集した。Photon Factoryにおいて同一結晶から1.3Å分解能のX線回折データを収集し、両者を組み合わせた精密化により、エラスターゼ及び水和水を構成する約4000原子(うち半数は水素もしくは重水素)の位置を決定した。His57側鎖の側鎖のイミダゾール環は単プロトン化状態で、Ser195のプロトンを引き抜く準備状態が形成されていた。Ser195とHis57の側鎖間の距離は典型的な水素結合距離よりは離れており、この水素結合中の水素原子位置は水酸基の通常構造からずれていた。
日本中性子科学会第16回年会

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