会議発表用資料 CR-39 固体飛跡検出器を用いた治療用放射線からの二次粒子の線量計測

小平, 聡

2016-09-14
内容記述
放射線を用いたがん診断装置や治療装置の高度化や普及に伴う医療被ばくが増えていることから、国際放射線防護委員会(ICRP)の基本勧告Publication 103では、放射線防護の枠組みの中で、医療分野を重要視している。医療被ばくの要因として、CTやPET等の診断に関するものが良く取り上げられているが、治療に関するものも無視できない。現在治療に用いられている主な放射線治療として、強度変調放射線治療(IMRT)等のX線や、陽子線や炭素線による粒子線治療においては、核反応によって二次的に発生する放射線による余剰な被ばくが懸念されている。二次粒子による二次発がん発生リスクとの関係について研究することは、今後の放射線治療において重要になると考えられる。標的核破砕反応や光核反応で生成する二次粒子は、人体内外の物質を通過する際に、確率的に繰り返し生成すると考えられている。これらの二次粒子は、高いLET(線エネルギー付与)を持つ荷電粒子や速中性子であることから、生物学的効果が高く、人体に与える線量影響は無視できない。従来の線量計測法では、非常に高いフルエンスの粒子線やX線の中から、二次粒子を識別しての同時計測は技術的に難しい。また、特に標的核破砕反応で発生する二次粒子のうち10 µm程度以下の短い飛程しかないものについては、検出自体が非常に難しい。そのため、二次粒子の線量寄与については、現時点では明らかになっていない。本研究ではCR-39固体飛跡検出器を用いて、二次粒子の生成確率やLET分布、投与線量に対する二次粒子が占める割合(線量寄与)、また空間線量分布などの物理データを求めることを目的としている。CR-39は治療に使われる高いエネルギーの陽子線や炭素線、X線には感度を持たないので、二次的に生成される高LET荷電粒子や速中性子からの反跳陽子だけを検出することができる。本講演では、これまでに得られている陽子線・炭素線・光子線から発生する二次粒子計測の実験結果について紹介する。
「第77回応用物理学会秋季学術講演会」における放射線分科会シンポジウムでの招待講演

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