Presentation 11C-LとD-1MTrpによる免疫チェックポイント阻害薬1メチルトリプトファンの体内動態の比較

謝, 琳  ,  熊田, 勝志  ,  念垣, 信樹  ,  大久保, 崇之  ,  由井, 譲二  ,  張, 一鼎  ,  羽鳥, 晶子  ,  張, 明栄

2016-10-01
Description
【背景と目的】1-メチルトリプトファン(1MTrp)は、免疫チェックポイント分子IDOの阻害薬として汎用されているが、光学異性体があるため、L体とD体のどちらが生体内で抗腫瘍作用を示すか、不明である。我々は、LとD-1MTrpを11Cで標識し、ラット及び担癌マウスを対象に、全身PET測定と腫瘍イメージングを行った。【方法】L体及びD体のインドール環の窒素原子に11C-メチル基を導入し、11C-LとD-1MTrpを47 ± 6.3%の放射化学収率(合成終了後)、98 ± 2.3%の放射化学純度及び40 ± 2分(照射終了後)で合成した。11C-LとD-1MTrpを用い、正常ラット及び異なるIDO発現量を持つ担癌マウスに対し、PET撮像と解析を実施した。【結果】正常ラットにおいて、L体は膵臓に高い放射能の集積を示したのに対し、D体は膵臓等の正常臓器にほとんど集積せず、腎臓から速やかな放射能の排泄が見られた。担癌マウスにおいて、L体はIDOが高発現の肺がん(5.36 ± 0.25 %ID/g)に、低発現の乳がん(1.15 ± 0.24 %ID/g)に比べ、高い放射能の集積を示した。また、D体を担癌マウスに投与したところ、IDOの発現と関係なく、腫瘍への放射能取り込みが低かった(0.81~1.51 %ID/g)。従い、2つの光学異性体は、生体動態及び腫瘍イメージングポテンシャルが大きく異なっていた。【結論】11C-LとD-1MTrp-PET を用い、生きた生体に対し、IDO阻害剤としての薬物動態を特異的かつリアルタイムに描出することにより、生体内でL体とD体のどちらかが抗腫瘍活性を示すことを解明できると期待している。
第16回 放射性医薬品・画像診断薬研究会

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