会議発表用資料 肝内胆管癌幹細胞に対する重粒子単独或いは化学療法併用による殺傷効果

崔, 星  ,  鈴木, 雅雄

2016-07-01
内容記述
【目的】肝内胆管癌は、原発性肝癌の5%しか占めないが、早い時期から浸潤や転移を起こすケースが多く、切除不能な進行癌の5年生存はほぼゼロで難治性癌の一つである。放医研では今まで多くの手術できない難治性腫瘍の治療を行い、良好な治療成績を得ており、今後肝内胆管癌といった難治性癌の治療対策も強く望まれている。本研究では、炭素線単独或はGemcitabine(GEM) と Cisplatin(CDDP)との併用による肝内胆管癌幹細胞に対する殺傷効果をin vitro, in vivoにて調べる。【方法】超高速セルソーターを用いて肝内胆管癌細胞株HuCCT1、Huh28より癌幹細胞を同定・分離し、炭素線単独或はGEM と CDDPとの併用によるこれら癌幹細胞に対する生存、DNA損傷、腫瘍抑制効果の違いをX線照射のものと比較検討した。【結果】HuCCT1、Huh28細胞においてCD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞集団はCD133-/CD90-、CD44-/ESA-細胞集団に比べ有意にコロニー、spheroid形成数が多いこと、また腫瘍形成能が高いことが認められた。CD133+/CD90+、CD44+/ESA+細胞集団は、X線、炭素線照射に対しともに抵抗性を示すが、上記肝内胆管癌幹細胞に対する細胞生存率10%における対X線の炭素線の生物学的効果比(RBE)が2倍以上の高い殺傷能力が認められた。炭素線とGEM と CDDPとの併用処置は炭素線単独或はX線とGEM と CDDPとの併用に比べ、上記癌幹細胞割合を著しく減少させ、コロニーやspheroid形成能を顕著に抑制し、処置24h後のγH2AX foci残存が有意に多いことが認められた。また、HuCCT1移植腫瘍に対し炭素線はX線照射に比べより強い腫瘍抑制効果を示し、2ヶ月後の病理所見では炭素線とGEM と CDDPとの併用は比較的低い線量でもより多くの癌細胞の壊死、空洞化、繊維化が観察さた。【結論】炭素線とGEM と CDDPとの併用は炭素線単独或はX線とGEM と CDDPとの併用に比べ、より強く肝内胆管癌幹細胞を殺傷することが示唆された。
第52回日本肝癌研究会

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