会議発表用資料 日本酒(純米酒、純米吟醸酒)摂取の肝臓代謝への影響と放射線影響修飾効果

中島, 徹夫  ,  Vares, Guillaume  ,  王, 冰  ,  根井, 充

2016-05-15
内容記述
日本酒は日本で非常にポピュラーなアルコール飲料であり、愛飲者も多い。また世界にも拡がりつつある。飲酒は過剰摂取による害が広く知られているが、ストレス軽減などの効用もあるとされる。しかしながら、飲酒習慣が放射線のような他のリスク要因にどう関わるかについては明確で無い。ここでは継続的な飲酒の放射線影響への修飾効果について日本で馴染みの深い日本酒を用いて評価した。日本酒にはここでは精米歩合を指標として異なる精米歩合をもち、同じアルコール分(15度)をもつ日本酒(純米酒、純米大吟醸酒)を使用した。一ヵ月間、日本酒あるいはエタノール水を投与したマウスに放射線照射(分割照射総線量3Gy)を行ったマウス(C3H/Heマウス雌)における肝臓代謝物の網羅的解析をCE-TOFMS(キャピラリー電気泳動―飛行時間型質量分析計)により行い、代謝物の変化を解析した。純米酒では 主成分解析により肝臓において放射線との併用で他の群(コントロール群、放射線照射のみ、純米酒投与のみ群)とは異なる特異な傾向が示された。特にグルタチオン関連の代謝物質の変化が起こり、抗酸化状態が活性化されていることが見られた。エタノールではグルタチオン関連の抗酸化能の誘導は見られなかった。また血清における変化をみると純米酒を飲むと中性脂肪量の顕著な増加がみられたが、放射線被ばくはその増加を抑制した。以上のことから生体内の放射線応答性は明らかに飲酒により変り、酒の種類によっては防御的に働く仕組みが活性化されていることが示された。また純米大吟醸酒により行った修飾効果評価におけるメタボローム解析の主成分解析では純米酒でみられた飲酒、放射線被ばく併用時の特異的な変化はなく飲酒も放射線も独立した変化を肝臓代謝にもたらしていた。
第70回日本栄養•食糧学会大会

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