Presentation 高血圧症はアルツハイマー型認知症のタウ蓄積に寄与するか?~PET画像を用いた検討

丹羽, 文俊  ,  島田, 斉  ,  篠遠, 仁  ,  遠藤, 浩信  ,  北村, 聡一郎  ,  平野, 成樹  ,  古川, 彰吾  ,  樋口, 真人  ,  須原, 哲也

2015-05-20
Description
【目的】高血圧症(Hypertension:HTN)はアルツハイマー型認知症(Alzheimer’s disease:AD)の危険因子として知られるがその病理学的背景は十分明らかではない.高血圧がタウ蓄積を含めたAD病理にどのように寄与するか,PET・MRI画像を用いて検討する.【方法】対象は52歳〜81歳の男女で,AD,軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment due to AD:MCI),健常者(Healthy control:HC)の計56名(他の認知症患者は除外)とした.臨床情報からHTNの有無で2群に分けた.両群の年齢に有意差はなかった.神経心理検査に加え,頭部画像検査としてMRI,アミロイドPET([11C]PIB),タウPET([11C]PBB3)を施行した.MRIでは磁化率強調画像で検出されるMicrobleeds(MB)をカウントしその数で群別化した.PETでは小脳皮質を参照領域として後期Standardized uptake value ratioの画像を作成した.PIB PETではアミロイド集積の有無を視覚的に判定し,PBB3 PETでは大脳皮質集積平均値をタウ集積の指標とした.【結果】HTN群は24名(AD11名,MCI6名,HC7名),非HTN群は32名(AD6名,MCI10名,HC16名)であった.この2群でPIB集積陽性はそれぞれ15名,15名であり両群に有意差はなかった.HTN群では非HTN群に比べ,Mini-Mental State Examinationなどの神経心理検査で有意に認知機能低下が認められ,またMBは多発する例が多く(p=0.042)PBB3集積は高値であった.さらに全体でみても,PIB集積陽性群では陰性群に比べMB多発例が多かった.しかしPIB集積陽性の30名に限ってみると,HTN群・非HTN群にこれらの有意差は認められなかった.ただしPIB陰性群(HC 22名・MCI 6名)でサブ解析MCIのHTNあり3名は,HTNなし3名に比べるとPBB3集積は高い傾向にあった.【結論】HTNはMB増加やタウ蓄積につながりADの危険要因となり得るが,アミロイド蓄積ほど強力な寄与因子とはならない.HTNはアミロイド蓄積とは独立して修飾することで血管病変やタウ病理を加速し認知機能低下に寄与する可能性があると考えた.
第56回日本神経学会学術大会

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