Presentation 磁気共鳴ベース機能性イメージングの展開

松本, 謙一郎

2015-03-26
Description
1980年代前半にMRIにおけるT1短縮型の造影剤として研究されていたニトロキシルラジカルは、造影効果がそれほど高くないうえに、生体内で比較的速やかにその常磁性を失うため当時の造影剤のニーズに合わず臨床で使用される事はなかった。しかしEPRの分野では、ニトロキシルラジカルを分子プローブとして生体内のレドックス状態を評価する技術が開発され、イメージング技術と組み合わせて、生体内のレドックス状態のマッピングが試みられてきた。近年、S/Nの高い高磁場のMRI装置が普及し、また性能の良いT1強調パルスシーケンスが開発され、ニトロキシルラジカルによる造影効果を効率よく測定できるようになった。これとほぼ同時期に、安定フリーラジカル種によるオーバーハウザー効果でMRIの信号増幅を捉えるOMRI(オーバーハウザーMRI)装置が市販されており、OMRIによるニトロキシルラジカル造影技術も開発され始めた。これらのMRIベースのイメージング技術とニトロキシルラジカルによるレドックス状態評価と組み合わせ、高解像度で生体内のレドックスマッピングを行ういわゆるレドックスイメージングが確立した。病態組織が視覚的に認識可能な症状を示すよりも前に組織内のレドックス状態が変化するという報告もあり、予め組織のレドックス状態を観察して、その情報に基づいた治療計画が可能かどうか、またその治療効果が評価可能かどうかを調べるための技術開発が行われている。そのほかにも病態組織の特徴を可視化してそれを治療に利用しようとする試みが多数ある。
日本薬学会第135年会

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