紀要論文 「ドローン」を用いた「インフォテインメント教育」~マリリン・モンローから始まる「エンタテインメント」との親和性~

田畑 恒平  ,  植田 康孝

内容記述
 最近話題となることが増えている「ドローン」は、無人飛行機(UAV= Uninhabited Aerial Vehicle)の呼称である。ドローンは、1950 年代に活躍した名女優マリリン・モンローがドローンのプロペラを取り付ける作業をしていた軍工場の広報誌に写真が掲載されたことをきっかけにハリウッドデビューを果たすなど、エンタテインメント分野との親和性が歴史上、非常に高い領域である。われわれ人間が暮らしているのは「3 次元」の世界であるが、現実には「高さ」方向の展開にはかなり制約があり、自由度はあまり得られて来なかった。コンサートやライブ会場において、アーティストは宙に浮く訳ではなく、あくまでクレーンやゴンドラが動く範囲内でしか自由に移動することができなかった。そのためエンタテインメント分野の行動様式も「2.5 次元」に留まっていたが、小型化され高度なフライトコントローラーを備えたドローンの出現により、本当の意味での「3次元」的な動きが可能になった。日本では、ラグビー五郎丸歩選手が所属する「ヤマハ発動機」が、農薬散布目的で市場をリードしてきたが、2013 年に大ヒットしたNHK の朝の連続ドラマ「あまちゃん」のオープニングで、海辺にいる主人公・天野アキ(能年玲奈)を空から追い掛ける映像にドローンが使用されたことで、急に注目されるようになった。また、近年では、グラミー賞を受賞した米国の4 人組ロックバンド「OK Go」のミュージックビデオ「OK Go: I Won't Let You Down」や、Perfume の「NHK 紅白歌合戦」におけるライブ演出など、映像効果や舞台演出として用いられるようになり、「3 次元」の世界を楽しんでもらえる環境が整備されてきた。3D 映画「STAND BY ME ドラエもん」では、スマートフォンで操作することによって上下左右360 度で視点を変えられ、実際にタケコプターで空を飛んでいるかのような体験をできるサイト「のび太と空中散歩」がインターネット上に公開された。映画においても、「007 スカイフォール」「トランスフォーマー」「アイアンマン3」などの作品でドローンが撮影に使用されるようになっている。テーマパークのディズニーランドは、複数のドローンでつり下げられた大きな操り人形を動かす新たなアトラクションの特許を取得済みであり、今後導入することを計画している。 一昔前に枕詞として頻繁に用いられた「放送と通信の融合」は最近では死語になった。スマートフォンの普及により誰もが自ら情報発信できるようになった現在、メディアに拘っているのはメディアの内側に閉じ籠もった人達だけであり、もはや「放送」や「インターネット」といったメディアの区別は意味を持たない時代になっている。しかし、そういう時代であればこそ、メディアに囚われない「差別的コンテンツ」が比較優位性を獲得できる。植田・木内・西条・田畑[2015]は、「エンタインメント」と「インフォメーション」を融合させた上位レイヤー概念として、「インフォテインメント(Infotainnment)」を定義したが、ドローン(無人飛行機)は音楽ライブやテーマパークなどエンタテインメントを「2.5次元」から「3次元」へと拡張してくれる存在であり、「インフォテインメント」を実現する「比較優位ツール」と言える。江戸川大学マス・コミュニケーション学科エンタテインメントコースは、平成27 年度において、「ドローン(無人飛行機)」を用いた教育を導入し、新たな時代へのエンタテインメント企画や演出面で教育効果を得たため、本稿に事例紹介する。
本文を読む

https://edo.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=692&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報