Departmental Bulletin Paper ハロウィン・イベントのライブストリーミング〜「マス・コミュニケーション受動」から「エンタテインメント共創」へ〜

田畑 恒平  ,  西条 昇  ,  木内 英太  ,  植田 康孝

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クラウドとビッグデータ,人工知能などの情報通信技術(ICT)の発達によって今後必要となる能力や人材が今までとは大きく異なってくる。多くの人がそう感じ始めているが,問題であるのは,その動きがかなり急速なことである。必要とされる能力が急ピッチに変化するならば,その変化に応じた能力開発も急ピッチで行っていく必要がある。もちろん大学教育の内容も大きく変革していかなければならない。急速な時代変化に合わせた大学教育の変革の必要性を感じた植田・木内・西条・田畑[2015]は,「エンタインメント」と「インフォメーション」を融合させた上位レイヤー概念として,「インフォテインメント(Infotainnment)」を定義した。本学マス・コミュニケーション学科「エンタテインメント」コースにおいては,「ハロウィンパーティ」の企画および実際に自らが仮装して歌や踊りなどのパフォーマンスを行う「エンタテインメント」の要素と,イベントをライブストリーミングで配信するという「インフォメーション」の要素を融合させた教育を2015 年10 月30 日に実践した。動画配信サービスは,ユーザーが投稿した動画を共有する「動画共有」と,ユーザーがライブ放送を共有できる「ライブストリーミング」の2 つから成るが,前期(2015 年5 月8 日)に行った動画共有サービス「Vine」による実習に加えて,後期でライブストリーミングによる実習も付加することにより,動画配信サービスに対する知識とスキルを学生は習得してくれたことを確認できたため,本稿に事例紹介する。LINE がスマホで動画を配信す「LINE ライブ」は,2015 年12 月10 日に始まったばかりのサービスであるが,視聴者は対話アプリ(日本国内は5,800 万ユーザー)と別の専用アプリをダウンロードすることにより,公演中のコンサートをスマートフォンでどこでも見ることが可能である。ドワンゴが手掛ける「ニコニコ生放送」サービスに続く生中継サービスが登場することにより,テレビに代替するサービスになると注目されていたが,インディーズアイドル「原宿駅前パーティーズ」による2015 年12 月24 日限定のクリスマス公演は128 万8,000 視聴という驚異的な数字を記録し実証する形になった。また,テイラー・スウィフトやアデルが世界ツアーの映像を「アップル・ミュージック」でコンサート映像を独占配信したり,リアーナが世界ツアーの映像をサムソン「ミルクミュージック」で,コールドプレイがロサンゼルスで行ったコンサート映像をJay-Z「タイダル」で配信したりするなど,人気アーティストが積極的に活用するようになっている。「ライブストリーミング」は,テレビ番組では視聴者が少なくて放送できないようなリアルタイムの映像を届けることができるため,テレビ番組に飽き足らず「テレビ離れ」を進めた若者世代が視聴するメディアに位置づけた結果,テレビの求心性は解体しその啓蒙機能は著しく減衰,レガシー化されつつある。更に,レッド・ブルやコカ・コーラなどの有力広告主が「ライブストリーミング」に対してテレビを代替するメディアとしての有効性と成長性に期待し,この流れに拍車を掛けている。このようにライブ配信は,ライブアイドルにとって不可欠のサービスになっており,芸能事務所や音楽関係を志す学生が多いエンタテインメントコースにおいては習得することが求められる重要技法の一つに位置づけられる。
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